アメリカンカルチャーに学ぶ。西海岸の暮らし方。
2024年 6月 8日 更新
アメリカ西海岸。
ゆったりとした空気感にアメリカンカルチャーやトレンドの発信地でもあり、インテリアも数年前からひとつのスタイルとしてブームとなり
今もなお確立されよく耳にする、西海岸スタイルやカリフォルニアスタイル。
ビーチハウス、
海や空を連想させるようなブルーの色合い、
ヴィンテージ感のある木材、
貝やヒトデや海にまつわるアクセサリー、
爽快な太陽に似合うカラフルな色使い、
自然に溶け込むナチュラルな素材の内装、
一度は憧れたことがある方も多いのではないでしょうか。
そんな西海岸のスタイルと暮らしとは?
そもそもアメリカ西海岸てどこ?
カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、ネバダ州、アリゾナ州などが含まれるアメリカ西海岸。ウェストコーストとも呼ばれ、1年を通して晴れの日が多く、また湿度が低く温暖な気候に恵まれた地域。
19世紀後半のゴールドラッシュで栄え、現代ではGoogle、Amazon、Facebook、Microsoft、Appleなどの経済の中心である企業の本社もたくさんある西海岸。
とても広いエリアの西海岸エリアですが、その中でもインテリアや建築の分野で注目度が高いのは、やはりカリフォルニア。
どんなスタイル?
まずイメージしやすいのは西海岸スタイルの代名詞、“Ron Herman”(ロンハーマン)。西海岸スタイルを具現化し、火付け役といっても過言ではないファッションブランドですね。
はじまりは1976年ハリウッドのメルローズアベニューにて誕生。ロンハーマン氏の「Style of California」(スタイルオブカリフォルニア)をポリシーに『ファッションとは愛にあふれ、刺激的で楽しく、自由であるべき』というスタイルを提案しています。
日本での1号店は2009年に千駄ヶ谷にできて以来、絶大な人気とファンを生み出していますね。カリフォルニアを感じるヴィンテージ感がありながら都会的な内装に、じわじわと「ロンハーマンのようなお部屋にしたい!」という声が増えてきた西海岸スタイルのお手本のようなスタイル
ロンハーマン風インテリアを作るポイントは、まずヴィンテージ風の白木の壁。
アンティーク風に仕上げた板張りの壁にカラフルな色使いをミックス。
床はナチュラルなカラーが映えますね。
あとは海やビーチを連想させるような小物やサーフボードなどをプラスしていきます。
色味としては、ホワイト✖️ブルー✖️ヴィンテージ風の木材が鉄板です!
淡くもカラフルでリラックスムード
しかし西海岸スタイルを表した時に、このように「こうしましょう、これを取り入れましょう」というのは、ポイントがありわかりやすいけれど、ちょっと違う気がしてしまう表現方法で、なぜならおそらくそれだけで収まらないのが家作りの本質であり、難しくもあり楽しいところ。
そんなキーワードで表せきれない、住まう人のライフスタイルが住宅にうまく素敵に取り込まれているのが、リアルな西海岸スタイルなのではないかと思います。
例えば、
平日は仕事で忙しいけど、休日は思いっきり家でのんびりしたい
海の近くに住んで、ライフワークのサーフィンを楽しみたい
開放的なキッチンでお部屋の全てが見渡せる眺めのいい場所で料理がしたい
天気のいい日には気兼ねない友人たちとバーベキューができるようなお庭が欲しい
世界で一番家が好き
などなど。
こういう家に住みたい!こういう生活がしたい!という思いと、誰でもそう願うように家で過ごす時間をより楽しく、そして寛げる空間にするポイントがそれぞれにありますよね。
カリフォルニアスタイル マガジンより
全部カリフォルニアの家!
外観もオールドアメリカンなラップサイディングのお家や、スペイン領地であった歴史を感じるスパニッシュ様式、現代的で効率の良い作りとデザイン性の高いモダニズム建築などなどいろんなスタイル。
それぞれが持つ趣味も文化も環境も皆異なり、西海岸ではそれぞれ個人のライフスタイルを自由に組み合わせて表現していることがそのひとのスタイル。アシュレイ的な言葉で表すと、Your style, your way.なのかなと思います。
その中でも、あえて2つのスタイルに分けるとしましょう。
1つ目はオールドアメリカンスタイルの外観をベースとしている〝サーファーズハウス〟
サーファーズハウス
サーフィン人口も多いカリフォルニア!ということでその名の通りサーファーのためのお家。お部屋の延長のようなカバードポーチ、サーフィンから戻ってすぐ浴びられるシャワーにお風呂、サーフボードを置くスペースなど、ライフスタイルに合わせた仕様に、外観はオールドアメリカンをベースとしているラップサイディング。柱やデッキのデザインはカジュアルに変え、青空と海の似合う素朴で開放感があるデザイン。窓を全開にして風の通りが良くとてもリラックスできそうな雰囲気です。
ホワイトを基調としたカジュアルな印象の家具が似合います。
コーナーソファでゆったり顔を合わせながら、くつろぎのスペース
もうひとつは、モダニズム建築の代表的な〝アイクラーホーム〟。
1940年代後半から住宅需要が高まり、戦後の住宅供給を補うために建売住宅として販売されていました。これまでの西洋的な作り(サーファーズハウスのようなベース)からよりモダンな作りとして効率よく、安価で、人種の隔たりがなく誰でも住める家として設計されたミッドセンチュリーを代表する住宅です。今ではファンも多く、文化財的な立ち位置になってきているようです
アイクラーホーム
特徴は、平屋であること。外の自然と中の境界が曖昧で、リビングダイニングから中庭や庭への隔たりもガラスが多用され、中と外が一体化されているような感覚に。今で言うトレンドのインサイドアウトサイドという考え方の配置。
それに対して公道などの公共の場に対しては閉鎖されているので、プライベート空間を重視した作りになっています。
パブリックスペースからは隔たれたファサード(正面)
ミッドセンチュリー家具と。
アトリウムとよばれる中庭。
お外なのか中なのか本当に曖昧。この空間の使い方は日本ではとても贅沢ですね。
日本の住宅事情と比べると状況が違うので、ただただ羨ましい!と思ってしまいますが、空間の取り入れ方は素晴らしいですよね♪中庭と続くガラス戸なんかは日本の縁側的な作りとも似ているような気がします。
実はこのアイクラーホームの20年ほど前に、アメリカで建築の革命を起こしたのが、建築家フランク ロイド ライト。同じように効率的かつデザイン性の高い住宅を作り、ライトの作った住宅に住んだこの創始者であるジョセフアイクラー氏が、ライト建築を取り入れアイクラーホームを作ったのだとか。当時とても革新的で、これまでの建売住宅とは全く異っていたそう。ライト建築はアメリカの住宅において欠かせない存在ですね。フランクロイドライトもたくさんの建築と波乱万丈の人生で人間味があります
アシュレイでも最近ミッドセンチュリーをイメージした新作が続々と出てきています。
ちなみにアメリカ西海岸で時を同じくして、とても有名な建築が“ケーススタディハウス”。こちらも戦後の住宅供給に備えて当時の著名な建築家により実験的かつ革新的な住宅を提案するプログラムがありました。雑誌社のスポンサー企画であり、その多くはロサンゼルスに建てられています。
有名なのは、言わずと知れたインテリアデザイナーのお家。イームズハウス!
CSH(Case Study House)#8
実際にイームズ夫妻が最期まで暮らしていた自邸。1949年に竣工。
民芸品やカメラなども好きだったそうです。当時の目的としてはローコスト住宅を模索していたわけなので当時の既成工業品のみを使用して建てられております。既製品といえど、木やタイル、直線的なガラスデザインなど随所にこだわりがあり、外との繋がり、ミッドセンチュリーを代表する自身の家具、雑貨や本はきっと彼らの好きなもので、ここで過ごす時間の豊かさが溢れてきそうなお家です。
こういう暮らし方ができたら最高ですよね。
西海岸はそんな暮らし方が沢山あって、自身のライフスタイルを住宅にうまく落とし込まれ具現化するのが上手。きっと、自分が何が好きで、どんなことがしたくて、今の自分に必要だと思うことが感覚も含めて分析されているかのようなイメージ。
アシュレイも家具というパーツだけでも、みなさんのたくさんのライフスタイルを具現化して、毎日豊かな時間が過ごせるようにしていければいいなあと願っています
きっとそれができるラインナップと、そう願うスタッフたちががいます♪
そういう家具探し、生活探しがができるように、今日も皆様のご来店お待ちしております
M.Fukai